Dilated, delayed

April 16th, Thursday

 

今週最後のnight shift。
昨日カンファレンスで一緒だった学生2人と一緒になった。
こちらの学生はすごく興味を持ってくれるし一緒に実習していて楽しいのだけど、2人分彼らが診る患者が少なくなるのかと考えたりすると何とも言えない...。
その分自分たちが学ばないとな...。

 

男子の方はUrology、女子の方はDermatologyに進むらしい。
どちらもアメリカで屈指の人気の科。
優秀!

 

4人だったというのと、やはり彼らの能力が高いので仕事が回ってくるというのが相まって今日自分が診察したのは2人だけだった。
そのかわり、というのは少し違うのかとも思うけど、非常に勉強になる2症例だった。

 

1人目は力んだ時からのどの違和感を訴え、脈の乱れもあって来院した年輩の女性。
脈をはかった時にECGと2倍近くズレていた...。
とびまくっていたから上手くはかれなかった、ということにしておこう。

 

今日は5時間ほどResidentがいなかったので、この患者さんはAttendingに直接プレゼンした。
実際にプレゼンするのは初めてのAttendingではあったけど、
「乾燥してた?どこを診たんだ、皮膚?それで客観的な評価ができるのか?」
から始まり、
不整脈の鑑別は具体的に何があるんだ?」
「このECG(アメリカではEKGと呼ばれている)から分かることは?Sinusなのか?」
「A- fibの患者のマネジメントはまずどうするんだ?待ってて良いのか?本当に?」
とガンガン聞いてきて、なかなか自信をもって答えることができなかった。

 

患者さんを(特にfirst touchで)診察するプロセスは楽しいと思うのだけど、とった情報から適切なA/Pがたてられなければ素人がやっているのと同じ。
自分の知識不足と、それを応用させる能力の足りなさにこの2か月間さらされ続けている。

 

この患者さんはCa blockerで落ち着いたらしいけど、心臓にステントも入っているし入院となった。

 

2人目は15歳の女の子。
右眼をソフトボールで強打して、強い痛みと視野のぼやけなどで他院から紹介されてきた。
見た目はそこまで充血してるようにも見えなかったけど、対光反射は完全に遅れていた。
今まで神経診察はけっこうやってきたけど、こんなに反応が片眼だけ鈍いのは初めてだった。
異常に目が行き過ぎて思いつかなかったけど、Residentに「瞳孔散大の点眼を前医でしてないか聞いたか?」と指摘されてしまった(この人は点眼はしていなかった、つまり医原性ではなかった)。

 

視力はそんなに落ちているわけではなかったけど、当然眼科に紹介。
健側からに当てた時も十分に縮瞳していたわけではなかったので筋肉(括約筋/散大筋)に障害があるのかとも思ったけど、どうなのだろう。

 

この時すでに午前2時半。
一緒に来ていた両親ともども疲れ切っている様子だった。
だけどこれがアメリカのER。

 

こちらの学生は、心電図に現れているW派のようなものに原因が必ずあるはずと食い下がって過去の診療録までひっぱり出して心疾患の既往歴を突き止めてみたり。
Attendingから帰宅前の最後の診察を任されてみたり。
ほんとにチームの一員として診療に参加している。
自分の大学だし勝手は分かるのかもしれないけど、UCIの学生は他大学からの学生よりデキる、というのが正直な感想かな。

 

寝て、6時間のドライブの末に現在Yosemiteまで来ております。
早起きしてsunriseをみてきます。