Day 10

13th March

もう先週のことになってしまった、13日の金曜日


本来なら午前中からフルでスケジュールが埋まっていたのだけど、朝のteachingの前に耳に” About the transplant surgery today,…”という言葉が入ってきた。
すぐにSurgeryのRegistrerに、「今日も移植があるのか?」と聞いてみると、Yesとのこと。
見学させてもらえるとのことで、Dr. Jonesに話しても
“Sure, now, why don’t you go hear stories from him and follow him up to next week?”
と快諾してくれた。
というわけで、この日は術前の様子を聞いたり、麻酔をかけたりするところから1日手術見学ということになった。

 

おそらく、ここでTheatre(手術室のこと、昔は劇場型だったことに由来するらしい)に入るのはこれが最初で最後。

まず、麻酔はTheatre内ではなく前室みたいなとこがあってそこでかける。
けど、やっぱり時間にはルーズで、ここでかなり待たされてた。

 

移植手術では麻酔をかける前にまずGraftの状態を確認する。
届けられる段階では、血液型とかHLAマッチングとかの情報でしか管理されていないから、肝心の手術で重要になる血管の位置とか、大きさとかは目で見るまで分からない。
Surgeonが自分で確認して、これなら使えると判断した場合のみ麻酔のGOサインが出るという仕組みらしい。
今回は少し変則的な位置に血管があったみたいだけど、OKということで麻酔、そしてオペ開始。

 

手洗いまでさせてもらえるかなーと期待してたけど、ダメでした。
ちなみにこっちの手洗い場は、イソジンも蛇口もまだ手動で、最後は肘でおして閉めてた。
いろいろ日本ならすぐ不潔扱いになるレベルです。

 

移植をみたいとは言っていたももの、実際の外科手技はあんまり勉強していなかったからその場で学習、みたいな感じだった。
いざ始めてみると思ったより血管を吻合する位置が合わず、縫合もうまくいかなかったりして事前に聞いていた2倍近い手術時間になった。
こんなことは珍しいらしく、Surgeonもかなり疲れていた。
4時間半以上かかってようやく終了。

 

Theatreから出るともういつもなら帰ろうとする時間。
今日だけはClerkingせずに帰ることにした。

 

そういえば、オペ中にも興味深い出来事が。
2時間くらいたったころ、Registrerが入ってきて、
脳死の臓器提供がきたけど、受けるかどうか」
の判断をConsultant(執刀してる)に仰いでいた。
脳死見込みの患者の現病歴、既往歴、検査所見、腎機能などを読み上げて、それから50分?以内に返答しなければならないのだそう。
National allocation systemによって決められて回ってきた臓器を個人の裁量で簡単に却下できるもんなんだな、と。

 

結局この腎臓が受け入れられたどうかは分からなかった。