Quiet Weekend

April 12th Sunday

土曜日はDisneylandで遊びまくって、閉園をはるか過ぎた25時頃にパークを出たのだけどそれはまた書くことにして。
大学の近所に、Outlet MallもDisneyland Resortも完備されていて実習前とか実習後に行けてしまうという…。
いいのか悪いのか...。

昨夜のshiftでは、自分たちしかいなかったこともあって結構患者さんを診察することができた。
Traumaはぜんぜん来なかったけど。

1人目は精神病の気がある患者さん。
旅行中に急に不安が増して、幻覚や被害妄想様の発言を繰り返し、応答も不自然になってきたという。
兄弟が旅行先まで迎えに行って帰ってきたところとのこと。
当然、精神的症状を訴える人を問診するのは初めて。
なにより、実際にその問診から得た情報でプレゼンしたことがカルテに書かれて、診療に役立つのはやりがいを感じるというか、充実感もぜんぜん違う。
今までもこういったことはあったけれど、今回が一番大きく貢献できた問診だったかな。

ただ、最初からどの精神病の分類に入るのかを話していた自分たちとは違い、Residentは器質的な疾患を見逃さず、しっかり除外して精神科に引き継ぐことがERの仕事だと言っていた。
完全に精神病と決めつけていたのを反省するいい勉強にもなった。

心配している兄弟が早口でしゃべるし、患者さんが言っていることはちぐはぐだしでかなり英語のスキルが試されていたと思うけど、実際にResidentに聞かれて不安な内容はけっこうあった。
分からないことははっきりそう言わないとな…。

2人目は頭痛を訴えてきたおじさん。
どうも歯が抜けてしまい痛みが頭痛にかわって耐えられなくなってしまったらしい。
ぱっと問診をとって、神経系に問題がないのだけ確認してresidentにプレゼンすると、「歯が抜けてしまったらしい」というところでストップ。
「んじゃ待てるね、今の痛みどめがきくまでもうちょい我慢してもらおう。」
と言ってそれで終わってしまった。

このように、自分からこの患者を診てきてもいいか、とチャンスを伺ったときは本当に必要なことだけを聞かれることも多い。
教育のために、「この患者を診ておいで、そしてAssessment/Planまで考えてな」と言ってくれることもあるし、それはもちろんすごく勉強になる。
自分の知識のなさを実感するだけともいえるのだけど...。
ただ、実臨床の現場で、しかもただでさえ時間のないERで、すべての患者さんに対して同じように対応できないのも事実。
アメリカはこの割り切りがすごいし、患者さんの側もERに来ている以上それは当たり前ととらえている。
1文で終わってしまうプレゼンからも、いろいろ感じることはあるな。

3人目は右肩関節の脱臼の患者さん。
もう見るからに脱臼だったけど、過去に同じようなことがあったかとか、Motor/Sensoryに異常がないかとを問診・診察してプレゼンすると、「2回目の脱臼ならここで戻しても問題なさそうだね」とのこと。
習慣性の脱臼を繰り返している場合は血管や神経にダメージがあることが多く、整形にコンサルトするまでノータッチなのだと教えてくれた。
さらに、肩の脱臼で障害されやすい神経と、その支配領域については全く考えてなかった。
腕神経叢のそれぞれの分枝について復習しとかないとな...。

イギリスからそのままアメリカに来て1週間。
現場の雰囲気もぜんぜん違うのだけど、もっと強烈に感じるのは、ここは実力社会であるということ。
プレゼンにしても、モノにならないと判断されたら次のチャンスが来るのが遅くなるのが分かる。
気が抜けない。

今夜もナイトシフト。